【レビュー】映画 余命10年

わたしの映画館

もし、あなたが余命10年と宣告されたら、どうしますか?
わたしは間違いなくうろたえます。

本作品は同名の小説を原作にした映画です。

主人公と同じ不治の病をもつ著者が書き上げたフィクションになります。

美しい映像と儚いラブストーリーがひときわ際立っていました。

ロケ地も谷根千がでてきて、日暮里駅や谷中銀座、夕焼けだんだんなどが自然と溶け込んでいました。
なにやら主人公がこのあたりに住んでいるという設定のようでした。

余命10年とは

余命10年とは
原作者 小坂 流加
監督  藤井 道人
演者  小松 菜奈
    坂口 健太郎
    井口 理
    山田 裕貴
    奈緒
    黒木 華
初公開 2022年

あらすじ

20歳の時に数万人に1人という不治の病にかかり、自らの余命が10年であることを知った少女。避けられない死を静かに受け入れるため、もう恋はしないと誓っていた。しかしある日、同窓会で再会したかつての同級生の男に思いがけず心惹かれていく。やがて、会うべきではないと思いながらも、彼との距離が縮まることに喜びを感じていく。

googleより

どう生きるのが幸せなのだろう

主人公は限りある命のタイムリミットまで精一杯、生きました。

もし、わたしたちも同様に残された時間が少ないとしたらどう生きるのが幸せなのかをちょっと考えてみたいと思います。

結論から言うとわたしも主人公同様に静かに死を受け入れざるを得ないと思います。
淡々と日々の生活を続けながら、可能な限り、会いたい人に会い、行きたい場所に行くと思います。

思い残しがないよう、するためです。

ちょっと終活めいた行動ですが、残される人々にまずは感謝を伝えたい。
いままで生きてこれたのも自分一人だけの力ではなかったからです。

会いたい人に会えたら普段通りに接し、行きたい場所に行けたら思いきり楽しむ。
あとから悔いがなるべく残らないように過ごせたら、自分の人生を幸せに終えることができそうです。

あくまでもわたしのケースなので、あなたはあなたのお考えがおありと思います。
この作品の視聴を一つのきっかけにして考えてもらえたらうれしい限りです。

特に評価したポイント

各シーンの映像美

要所要所で映し出されるシーンの美しさが突出していた点をまずは評価したいと思います。
とくに印象的なシーンがあり、非常に美しいです。

写真や動画撮影が好きな方なら参考にもなると思います。

限りある命でもあきらめない強い心

主人公は限りある命に最初はとまどいながら恐る恐る、色んな経験をしていきます。
もう先は長くないのだから楽しんだら、あとが辛いと考えがちです。

運命的な出会いをきっかけに主人公が変わっていく姿に勇気をもらえる点を評価したいと思います。

家族の在り方

先の長くない主人公とともに暮らす家族の在りようは「見事」の一言に尽きます。

まわりの人々が普段通りの生活を心掛けて病気の当事者と接していく点を最後に評価したいと思います。

もし自分の身の上に同様のことが起こった時の参考になるかもしれません。

まとめ

わたしにとって死を受け入れるということは恐ろしいことです。
主人公にとっても恐らく、そうだったはず。

少しずつでも死を受け入れ、残された人生をどう生きるかは人それぞれだろうと思います。

主人公が選択し、挑戦した数々のことは日々を当たり前に生きるわたしにとっても勇気のもらえるエピソードでした。

日々の暮らしを守り抜くのに精いっぱいで色んなことに挑戦する勇気の大切さに改めて気づきを得た感じです。

妙齢のわたしにしても同年代の人々が少しずつ旅立っていく話を耳にすると死はそう遠くないのかもしれません。
いまから少しずつでも終活の準備を始めたほうが良いのかもしれないと思い始めています。

ただ死の恐怖に足元をすくわれ、なにもできずにいることはもったいないことです。
この点に気を付けながら余生をいかに生きていくか、わたし自身もよく考え行動していきたいと思います。

悔いなく生きたいですから、やはり。

本作は単なるラブストーリーという視点では観られませんでした。
出演者たちの演技もさることながら一人一人の想いが言葉にしなくても見て取れるようだったので。

すばらしい演技力に没入させていただきました。

前評判では号泣すると聞いていましたが、わたしは悲しみから泣くというよりも人生の幕の閉じ方の美しさに感心したクチです。
見事な幕引き。

こうありたいものです。

ここまでお読みくださり、ありがとうございました。
よかったら、あなたも本作をご覧になって人生を考えるきっかけにしてもらえば嬉しい限りです。

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