ミステリーファンのみなさま、お待たせしました。
わたしの子ども時代は、アガサ・クリスティー、江戸川乱歩などのミステリー小説を読んでいました。
王道ですね。
成長するにつれ、ミステリーはあまり読まなくなりましたが、今回、久しぶりに読んだミステリー小説が面白かったので、ご紹介します。
本作は、「謎解きはディナーのあとで」の著者が東京の下町 谷根千を舞台に著したミステリー小説です。
どのお話も最初はまったく思いもつかない結末が待っています。
ボリュームも程よく四篇の短編集で、あっという間に読めます。
短編なので少しずつ読める利点があります。
すきま時間の読書にいかがでしょうか。
わたしは移動中にサクッと読めました。
本作は下町情緒あふれる谷根千を散歩しながら謎解きのできるミステリー小説です。
谷根千をよく知る方もそうでない方も楽しめる良作でした。
登場人物たちもなかなかに魅力的ですよ。
谷根千ミステリ散歩 中途半端な逆さま問題とは
タイトル 谷根千ミステリ散歩 中途半端な逆さま問題
著者 東川 篤哉
刊行年 2020年
受賞歴 第8回 本屋大賞
あらすじ
下町情緒あふれる谷根千にある、鰯専門の居酒屋。看板娘(?)のつみれの元に謎めいた相談が持ち込まれる。困り果てて頼った開運グッズ店の店主・竹田津は、お好み焼きを食べたり猫を構ったり、寄り道ばかりしながらも、鮮やかに謎を解き明かす!?
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谷根千ミステリ散歩の評価ポイント
本作を評価するとしたら三つだけ、あげさせてください。
舞台は東京の下町 谷根千
実在するお店や場所などがたくさん、本作には登場します。
もちろん、架空のお店や場所も。
谷根千をよく知る方なら感動もひとしお。
主人公たちと一緒に谷根千を散歩している気分にさせてくれる面白さを評価しました。
もちろん、谷根千をご存じない方でも散策している気分で楽しめるので安心してください。
伏線回収がお見事
ささいなことが後々に繋がっている点がミステリー小説の醍醐味です。
こんなことがなんの関係があるのかなあと分からないまま、読み進めていくと予想外の展開が待っていて、びっくりしたり。
さらさらと読むと見落としがちなことが、後で見事に伏線回収されていく爽快さを評価しました。
実写化できるほどの作品設定
登場人物たちがとても個性的で魅力的なのも読んでいて面白かった点です。
表紙にあるイラストから実写化できる作品だなと思いました。
谷根千という土地柄はロケーションも抜群だし、登場人物たちも実写化できるほどのキャラ設定である点を評価します。
この登場人物は、あの俳優さんがぴったりなど考えるのも楽しいですね。
まとめ
本作はミステリーに詳しくない初心者から、ある程度、ミステリー小説を読み込まれているような方までが考察を気軽に楽しめる良作と思いました。
考察そのものは頭の筋トレにもなって良い刺激にもなります。
すこし普段の読書に物足りなさを感じている方に是非、おすすめしたいです。
四篇というボリュームもすきま時間に軽く読むのに最適だと思いました。
面白くてつい、一気に読んでしまうと思います。
本作を読み進めると古典的名作ミステリの話題に触れていて、往年のミステリファンの方も思わずニヤリとしてしまうかもしれません。
名作ミステリは心に残るし、そもそも謎解きってたまらないですよね。
本作を読み進めながら、この人は怪しいとかなぜ、あれはこうだったのかなど考察が頭を駆け巡るのも醍醐味です。
ぜひとも本作はシリーズ化して欲しいと淡い期待を抱きました。
舞台も東京の下町 谷根千なので、映像化しても映えると思うんですよね。
登場人物たちもご近所の身近な方々ばかり。
実際に谷根千に住んでいそうで親しみが湧きます。
作中、谷根千に実在するお店や場所もでてくるので、土地勘がある方はこれはあの辺りだなと頭に地図を描きながら読めるのも面白さの一つです。
架空のお店なども登場しますが、本当に存在していたとしても違和感なく、自然に本作に溶け込んでいました。
もともと著者はミステリーを得意としており、ベストセラーとなった「謎解きはディナーのあとで」が代表作です。
この「謎解きはディナーのあとで」で第八回本屋大賞を受賞しています。
著者の続編を切にお待ちしています。
あなたもすきま時間に考察できる読書体験はいかがですか。
あなたの推理が当たれば、尚のこと楽しい読書体験になるでしょう。
日常にちょっとの刺激で脳を活性化させ、あなたの日々の仕事や家事、育児などのカンフル剤となってくれれば嬉しいです。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
あなたにとって素晴らしい読書体験ができますよう、お祈り申し上げます。